VOKSUN S450の評判は、コストパフォーマンスへの満足度が高い一方で、中古レコード再生時の音飛びを指摘する声も一定数あるという二面性を持っています。1万円を切る価格でBluetoothの送信と受信、USB録音、内蔵スピーカーを備えた入門機として、新品のLPレコードを楽しむ用途では高評価が目立ちます。反面、針圧調整機能がないという仕様上の制約が、中古盤との相性の悪さにつながっている面もあります。本記事では、VOKSUN S450の仕様や評判の中身、向き不向き、購入時に確認しておきたいポイントを整理します。
VOKSUN S450はどんなレコードプレーヤーか

VOKSUN S450は、中国のオーディオブランドVOKSUNが手がける木目調のレトロデザインターンテーブルです。33 1/3回転、45回転、78回転の3速に対応し、7インチから12インチまでのレコード盤を再生できます。ベルトドライブ方式を採用し、内蔵ステレオスピーカー、Bluetoothの送信と受信の双方向対応、USBポートを使ったレコード音源の録音機能、AM/FMラジオ、AUX入力、RCA出力、ヘッドフォン端子、透明な防塵カバーまでを1台に詰め込んでいます。
型番はS450のほか、Bluetooth5.4に対応したS450Aという派生モデルも存在し、世代によって対応するBluetoothのバージョンが5.0、5.3、5.4と異なります。日本語の説明書と1〜2年の保証が付属する点も、国内で販売される際の訴求点になっています。単体でレコードを聴くだけでなく、スマートフォンの音楽をS450のスピーカーで鳴らしたり、逆にレコードの音をBluetoothスピーカーへ飛ばしたりと、レコード再生以外の用途にも使える汎用性の高さが特徴です。
VOKSUNというブランドそのものは、中国湖南省新化県石虫口鎮を拠点とする個人名義で商標登録されており、2018年にEUIPOへ商標出願が行われています。老舗オーディオメーカーのような知名度や実績があるわけではなく、ブランド自身も「手頃な価格でレトロなレコード体験を提供すること」に軸足を置いた比較的新しいブランドだと説明しています。S300やS350といった下位モデルも展開しており、S450はその中でBluetoothの双方向対応など機能を拡充した位置づけのモデルです。
良い評判はコストパフォーマンスと双方向Bluetoothに集中
VOKSUN S450に寄せられている肯定的な評判は、主に4つの軸にまとまります。ひとつ目はコストパフォーマンスの高さです。1万円を切る価格でBluetoothの送信と受信、USB録音、内蔵スピーカー、AM/FMラジオ、3速回転対応をまとめて備えており、単機能のエントリーモデルと比べて「できることが多い」という満足感につながっています。
ふたつ目は新品LPレコードとの相性の良さです。あるレビューサイトのスタッフ評価では満足度100点という採点がつき、ノスタルジックな音質とレトロなデザインが魅力として紹介されています。木目調の筐体はインテリアとしても違和感が少なく、見た目の満足度を評価する声も見られます。

みっつ目は双方向Bluetoothへの評価です。あるユーザーは、双方向Bluetoothに対応していることと評判の良さを選定理由に挙げ、LPレコードを再生した際にデジタル音源にはない温かみのあるアナログサウンドへ満足したと述べています。よっつ目はAmazon.co.jp上でのレビュー評価の高さで、あるモデルでは161件のレビューをもとに星4.4という評価がついています。他の機能は問題なく動作し、追加のスピーカー接続が不要という点を評価するコメントも見られます。
気になる評判は針飛びとEP盤の自動停止
一方で、VOKSUN S450には価格相応の限界を指摘する評判もあります。もっとも多い指摘は、中古レコード再生時の音飛びです。見た目には状態が良さそうな中古盤でも、わずかな傷があると音飛びが発生しやすいと報告されています。背景にあるのが、S450には針圧調整機能が搭載されていないという仕様上の制約です。
一般的なレコードプレーヤーにおいて、カートリッジの針圧は1.5〜2.5g程度の範囲に収まるよう調整することが推奨されています。針圧が軽すぎると針が盤面上で暴れて音が歪み、重すぎるとレコード盤と針の双方が余計にすり減ります。針圧調整は付加機能ではなく、レコードと針を長持ちさせ、良好な音質を維持するための基本機能です。この観点で見ると、S450が針圧固定式である以上、盤の反りや細かい傷への追従性がハイエンド機に劣ることは、構造上避けられない制約だといえます。音飛びしやすいという評判は、欠陥というより価格とのトレードオフとして理解するのが妥当です。
もうひとつの指摘は、EP盤(ドーナツ盤、7インチシングル盤)再生時の自動停止機能です。レコードの再生が終わった後、アームが自動的に持ち上がって停止する機能がうまく作動しないケースがあり、完璧な自動停止を期待すると物足りなさが残ります。S450はオートストップ機能を備えているものの、フルオート機として過信しない前提で使うほうが無難です。音質についても、高級ターンテーブルのような解像度や豊かな低音を求めるユーザーには物足りなく、耐久性も大量のレコードコレクションをヘビーに再生し続ける用途には向いていません。あくまでレトロな雰囲気を手軽に楽しむための入門機という位置づけです。
S300との違いはBluetooth送信機能の有無
VOKSUNはS300、S350、S450と複数のモデルを展開していますが、S300はBluetoothの送信機能を持たず、外部Bluetoothスピーカーと接続して音を鳴らすタイプです。これに対しS450はBluetoothの送信と受信の双方向に対応しており、レコードの音をBluetoothスピーカーへ飛ばして聴くことも、スマートフォンの音楽をS450本体のスピーカーで再生することもできます。価格帯はどちらも1万円前後のエントリー層に属しますが、双方向Bluetoothを重視するのであれば、S450かBluetooth5.4対応のS450Aを選ぶ理由になります。
VOKSUN S450が向いている人と向いていない人
これまでの評判を総合すると、VOKSUN S450は初めてアナログレコードを聴いてみたい入門者や、高価なオーディオ機器への投資をまだ考えておらずまずは手軽にレコードの音を体験したい人に向いています。レトロな木目調デザインを部屋のインテリアとして取り入れたい人、新品のLPレコードを中心にたまに聴く程度のカジュアルな使い方を想定している人にも合っています。Bluetoothスピーカーとしても併用したい人、USBでレコード音源をデジタル化したい人など、レコード再生以外の付加機能を重視する人にも選択肢になります。
反対に、大量の中古レコードを頻繁に再生するコレクターや、針圧調整・アンチスケーティングなど精密な調整機能を求めるオーディオ愛好家には不向きです。解像度の高い高音質再生を最優先するリスニング用途のユーザーや、長期間ハードに使い続ける耐久性を最重視するユーザーにとっても、S450の性能では満足できない可能性が高いといえます。
購入前に確認すべき点は型番とレビューの信頼性
VOKSUN S450を購入する際は、いくつかの点を事前に確認しておくと安心です。まず、S450とS450AのようにBluetoothバージョンが異なる型番違いが複数存在するため、対応するBluetoothバージョンや付属品(レコード針の本数、説明書の言語、保証期間)を販売ページでよく確認する必要があります。中古レコードをメインで再生する予定がある場合は、針圧調整機能がない点を踏まえ、音飛びが発生する可能性を許容できるかどうかを事前に検討しておくとよいでしょう。針の状態によって音質や音飛びの発生率が変わるため、付属針の消耗が気になる場合は、交換用の互換針の入手性も確認しておくと安心です。
Amazonなどのレビュー評価点はあくまで参考値であり、評価数や投稿内容の具体性を確認した上で、価格相応の入門機であるという前提を踏まえて購入を判断することが望ましいといえます。過度に高音質や高耐久を期待すると、実際に使用した際にギャップを感じる可能性があります。保証期間や販売元が正規販売店かどうかも確認しておきたいポイントです。並行輸入品や非正規ルートで購入した場合、保証対応やアフターサポートを受けられないケースがあります。
購入チャネルとしては、Amazon.co.jpのほか楽天市場、メルカリなどのフリマアプリでも新品・中古が流通しており、複数のプラットフォームから入手できます。ただしフリマアプリでの中古購入では、正規の保証やサポートを受けられない可能性がある点に留意が必要です。VOKSUNというメーカー自体は公式情報が少なく、どこの国のブランドなのか、運営会社や公式サイト、問い合わせ先はどこかという疑問がユーザーの間でたびたび検索されている実情があります。レコードプレーヤーというカテゴリ全体では、いわゆるやらせレビューに該当する製品が全体の20〜23%程度を占めているという指摘もあり、VOKSUN製品に限らず、このカテゴリで製品を選ぶ際はレビュー内容の具体性や投稿時期の分布まで見て、信頼性を慎重に見極める姿勢が求められます。
基本的な使い方とお手入れの手順
VOKSUN S450の再生手順はシンプルに設計されています。レコードをターンテーブルに乗せ、回転数を選択した後、トーンアームをゆっくりとレコードの上に下ろす際にはキューイングレバーを使います。手でアームを直接持ち上げ下げするのではなく、レバー操作を介することで、盤面や針を傷つけるリスクを減らす設計です。再生が終了するとトーンアームは自動的に休止位置へ戻りますが、前述の通りEP盤ではこの動作が不完全になる場合があるため、再生後はアームの位置を確認する習慣をつけておくと安心です。
レコード針のお手入れは、柔らかいブラシを使い後ろから前へ優しく磨くことが取扱説明書で推奨されています。スタイラスに指で直接触れないよう注意も呼びかけられており、皮脂や汚れが針先に付着すると音質の劣化や盤面への負担増加につながるためです。針の交換については、一般的なレコード針はプラスチック部分の両端を指先でやさしくつまんで引き抜き、新しい針を差し込むだけで交換できる方式のものが多くなっています。S450専用の互換針についての公式な型番情報は限定的であるため、購入時に付属する予備針を大切に保管するか、購入店やメーカーのサポート窓口に交換用針の入手方法を確認しておくことが望ましいといえます。
USB録音はパソコン不要で手軽に扱える
VOKSUN S450が搭載するUSB録音機能は、一般的なレコードのデジタル化方法と比較すると利便性がわかりやすくなります。通常、レコード音源をパソコンでデジタル化する場合は、レコードプレーヤーの微弱な信号を増幅するフォノイコライザーに加え、USBオーディオキャプチャー機器をパソコンに接続し、Audacityのような音楽編集ソフトを起動して録音操作を行う必要があります。パソコンとUSBで接続しただけでは自動的に録音が始まるわけではなく、ソフト側での操作が必須になる点は、デジタル化に不慣れな初心者にとってハードルになりやすい部分です。
これに対しS450は、プレーヤー本体にUSBポートを備えており、USBメモリーを直接挿すことでパソコンや専用ソフトを介さずにレコード音源を録音・保存できます。フォノイコライザー機能や録音機能があらかじめ本体に内蔵されているため、パソコンの操作に慣れていないユーザーでも比較的簡単な手順でレコードのデジタル化を試せます。録音される音声データの形式やビットレート、ファイル分割の自動化の有無といった詳細な仕様については、製品説明書やパッケージの記載を事前に確認しておくと安心です。
アナログレコード市場の追い風とS450の立ち位置
VOKSUN S450のような多機能・低価格帯のレコードプレーヤーが注目を集めている背景には、アナログレコード市場そのものの復調があります。世界のレコード市場規模は2025年時点で21億米ドルに達し、2026年から2034年にかけて年平均成長率6.50%で推移し、2034年までに36億米ドルに達すると予測されています。日本国内でも2025年のレコード生産額は88億4,700万円と前年比26%増となり、1989年以来35年ぶりの水準を突破し、37年ぶりに80億円の大台を超えました。

販売数量の面でも、2025年上半期のアナログシングルの売上枚数は約6.4万枚、アナログアルバムは約37.7万枚、合計で約44.1万枚に達し、前年比110%の伸びを記録しました。市場拡大の背景には、ストリーミングサービスで音楽を聴くことが当たり前になった若い世代が、好きなアーティストの作品を所有する新しい楽しみ方としてレコードを選ぶようになったことや、著名人や音楽業界関係者によるプロモーション活動の活発化、ビニールレコード製品そのものへの先進技術導入などが挙げられています。
こうしたアナログレコード再ブームの中で、Bluetoothやその他のデジタル世代の使い勝手を取り入れつつ、レトロなデザインと手頃な価格を両立させたS450のようなプレーヤーは、まずは気軽にレコードを聴いてみたいという新規リスナー層の受け皿になっています。高級オーディオメーカーの製品と単純比較すれば性能面での見劣りは否めませんが、レコード文化への入り口を広げる役割を担う製品として一定の需要を集めています。ストリーミングで音楽を聴くことに慣れた世代が、あえて手間のかかるアナログレコードを選ぶ理由は、所有する満足感やジャケットを含めた鑑賞体験にあります。S450のように、購入したその日から電源を入れるだけで再生できる手軽さは、こうした新規リスナー層が最初の1台として選びやすい条件を備えているといえます。
デザイン性を評価した贈り物としての側面
VOKSUN S450を含むVOKSUNのレコードプレーヤーは、デザイン性の高さから贈り物用途でも評判を得ています。木目調の仕上がりは和風の部屋にも馴染みやすく、光沢感のある外観や金属製ボタンの手触りの良さから、精巧な工芸品として友人や両親へのプレゼントに選ばれるケースもあります。背面のRCA端子を使えば外部スピーカーとの接続も可能で、有線イヤホンやAUXポート経由でのスマートフォン接続にも対応しており、贈られた側がその後の使い方を柔軟に選べる点も、ギフトとして選ばれる理由のひとつになっていると考えられます。
内蔵スピーカーで完結する手軽さも評判の理由
初心者向けのレコードプレーヤー選びでは、本体に何が内蔵されていて、何を別途用意する必要があるかを確認することが定石とされています。この点でS450は、スピーカー、Bluetooth、AM/FMラジオ、USB録音機能をすべて内蔵しているため、追加でアンプやスピーカーを用意しなくても、電源とレコードさえあればすぐに音楽を楽しめる手軽さが強みです。一方で、内蔵スピーカーの音質は外部の据え置き型スピーカーやアンプと比べると限界があります。より本格的な音質を求める場合は、RCA出力を使って外部オーディオ機器に接続する使い方に将来的に移行できる点も、S450を選ぶ際の安心材料のひとつです。まずは内蔵スピーカーだけで気軽に始め、レコードにのめり込んできた段階で外部機器へつないでいく、という段階的な楽しみ方ができるのは、入門機としての評判を支える理由のひとつだといえます。
VOKSUN S450の評判のまとめ
VOKSUN S450は、1万円を切る価格帯でBluetoothの双方向対応、USB録音、内蔵スピーカー、AM/FMラジオ、3速回転対応、防塵カバーといった機能を1台に詰め込んだ、レトロデザインのエントリー向けレコードプレーヤーです。新品のLPレコードを中心に気軽にアナログサウンドを楽しみたいユーザーからは、コストパフォーマンスの高さや木目調デザインの満足度、双方向Bluetoothの利便性について肯定的な評判が多く見られます。
一方で、針圧調整機能がないことに起因する中古レコード再生時の音飛びや、EP盤再生時の自動停止機能の不完全さなど、価格相応の限界も抱えています。高級オーディオ機器としての性能を求めるのではなく、レコードのある暮らしを手軽に始めるための入門機として捉えることが、S450を満足して使いこなすための前提です。購入を検討する際は、型番の違いや販売元、レビューの信頼性を確認した上で、自分の使い方が新品中心か中古中心か、Bluetooth機能をどれだけ活用するかに照らして選ぶことが重要です。