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ヤマハのHS4に対する評判は、色付けの少ないフラットな音質への支持が中心を占めています。低音を過剰に持ち上げず原音に忠実な再生を志向する姿勢は、DTMを始めたばかりのユーザーから動画クリエイターまで幅広い層に好意的に受け止められてきました。一方で、4.5インチという口径ゆえに低域の量感には限界があり、本格的な楽曲制作では物足りなさを感じるという声も一定数見られます。ヤマハのモニタースピーカー「HSシリーズ」は、レコーディングスタジオでの実績を持つブランドとして長年支持されてきましたが、HS4はそのなかでも設置スペースを取らないコンパクトさを武器にした一台です。この記事では、HS4のスペックや音質傾向、HS3・HS5との違い、購入者の評判を踏まえながら、どんな使い方に向いているモデルなのかを具体的に見ていきます。

ヤマハHS4のイメージ画像

ヤマハHS4は4.5インチウーファーと26W出力の2ウェイモニター

ヤマハHS4のスペック早見表

HS4は、2023年11月23日に発売された2ウェイ・バスレフ型のパワードスタジオモニタースピーカーです。低域用に4.5インチ(約11.5cm)のコーン型ウーファーを、高域用に1インチ(約2.5cm)のドーム型ツイーターを搭載し、Class-Dアンプによる26W+26Wの出力を確保しています。再生周波数帯域は-10dBで60Hz〜22kHzとされており、この数値だけを見ても、コンパクトな筐体にしては低域方向へそこそこ粘っている印象を受けます。

入力端子はXLR/TRSフォンのコンボジャック、RCA、ステレオミニジャックの3系統に対応しており、オーディオインターフェース経由の本格的な接続だけでなく、パソコンやスマートフォンからステレオミニケーブルで直接つなぐ使い方もできます。本体サイズはL側(アンプ内蔵)が幅150mm×高さ240mm×奥行213mmで質量約3.7kg、R側(アンプなし)が同サイズで質量約3.1kgです。左右で重さが違うのは、左チャンネル側にのみアンプを内蔵する「シングルアンプデザイン」を採用しているためで、右チャンネル側は軽量なパッシブ構成になっています。左右はスピーカーケーブルで接続し、電源とライン入力は左チャンネル側から取る仕組みです。

背面にはROOM CONTROLスイッチ(0/−2/−4dB、500Hz以下に作用)とHIGH TRIMスイッチ(+2/0/−2dB、2kHz以上に作用)という2つの調整スイッチが備わっています。バスレフポートには風切り音を抑える「ツイステッドフレアポート」というヤマハ独自の形状が採用されており、コンパクトなエンクロージャーでも低音がにごりにくい設計になっているとされています。

HSシリーズの原点はNS-10MからMSPを経た系譜にある

ヤマハのモニタースピーカーの評判を語るうえで欠かせないのが、世界中のレコーディングスタジオで長年愛用されてきた名機「NS-10M」の存在です。NS-10Mは1978年に発売されたニアフィールドモニタースピーカーで、良い音ではなく悪い音を正確に出すという独特の設計思想のもと、大型スピーカーの性能をそのまま小型化することを目指して開発されました。派手な低音や過剰な色付けを排し、ミックスの粗が明確にわかる正確な再生特性は、多くのエンジニアやアーティストから支持を集め、数々の名盤のミックス作業に使われてきました。

やがてNS-10Mは部品の入手が困難になったことなどから生産を終え、その後継として登場したのがMSPシリーズです。そしてMSPシリーズの流れを汲み、より家庭のDTM環境になじむ形で発展したのが現在のHSシリーズになります。HSは「Home Studio」の略とされ、プロの現場で培われたフラットで正確なモニタリング思想を、一般のDTMユーザーや動画クリエイターでも導入しやすい価格帯とサイズ感で提供することを目指して展開されてきました。HS4は、この系譜のなかでもとくに設置のハードルを下げ、より多くのユーザーに正確な音を届けるために開発された世代のモデルという位置づけです。こうした背景を知ると、HS4の評判に「フラットで色付けが少ない」という言葉が繰り返し出てくる理由にも納得がいきます。

HS4の評判はフラットな音質への支持で一致している

HS4の評判のいいところと気になるところ

購入者のレビューを見ていくと、「ノイズが少なくクリアな音」「扱いやすいスピーカー」といった感想が繰り返し登場します。低音を強調して迫力を演出するタイプのスピーカーとは方向性が異なり、HS4は原音に忠実な再生を志向しているため、長時間聴いても疲れにくいという評価が目立ちます。あるレビューでは、音楽制作だけでなくYouTube視聴のような一般的な用途でも、フラットな特性ゆえに聴き疲れしにくいと評価されていました。

ただし、良い評判ばかりというわけではありません。コンパクトなモデルであるぶん低域の量感には限界があり、本格的な低音確認が必要な楽曲制作では別途サブウーファーを追加したというユーザーの声も見つかります。ヤマハのHSシリーズにはHS8Sというサブウーファーがラインナップされており、HS4と組み合わせて低域を補強する使い方も可能です。

フロントパネルにボリュームつまみと電源スイッチ、ヘッドホン端子をまとめて配置した設計も、評判を押し上げている要素のひとつです。従来のHS5・HS7・HS8は電源スイッチが背面にあり、都度手を回して操作する必要がありましたが、HS4ではフロントから直感的に音量調整と電源のオンオフができます。オーディオインターフェースを別途用意しなくても、パソコンとスピーカーをつなぐだけでスピーカー再生とヘッドホン再生を切り替えられる手軽さは、初めてモニタースピーカーを導入するユーザーにとって扱いやすいポイントとして受け止められています。

HS3とHS4の違いは低域の余裕とデスク上の専有面積

HS4と同時に発売されたHS3は、HSシリーズのなかで最小サイズのモデルです。両者の違いを整理すると、次の表のようになります。

項目HS4HS3
ウーファー4.5インチ3.5インチ
ツイーター1インチ0.75インチ
サイズ(L側)幅150×高さ240×奥行213mm幅132×高さ223×奥行189mm
質量(L側/R側)約3.7kg/約3.1kg約2.8kg/約2.1kg
出力26W+26W26W+26W

出力は共通ですが、ウーファー口径が大きいHS4の方が低域の量感や、制作時の低音確認のしやすさで有利です。価格差はそれほど大きくないため、少しでも低域を確認しやすいモデルが欲しい場合や、デスクにもう少し余裕がある場合はHS4を選び、とにかく省スペースを優先したい場合はHS3を選ぶという住み分けが一般的になっています。DTM関連メディアのレビューでも、本格的に音楽制作を行いたいならHS4、動画編集や配信など音質が仕上がりに直結しない用途であればHS3でも十分コストパフォーマンスに優れる、という評価が見られました。

HS5との違いは低域再生能力とフラットさの評価

HSシリーズのなかで長年定番として支持されてきたのが、5インチウーファーを積むHS5です。HS4とHS5を比べると、サイズはHS5の方がひと回り大きく設置により広いスペースが必要になります。低域再生能力についても、ウーファー口径が大きいHS5の方がより低い帯域までフラットに再生でき、本格的なミックス作業での低域確認に向いています。中域の見通しの良さと過度な低域の盛りが出にくい点でも、HS5はフラット志向のモニターとして評価が高く、価格帯もHS4より高めに設定されています。

これからDTMを始める、あるいは動画編集やポッドキャスト制作をメインに考えているユーザーには、省スペースで扱いやすいHS4がまず候補になります。本格的な音楽制作やミックス、マスタリングを行いたい場合や設置スペースに余裕がある場合は、より下の帯域まで正確にモニタリングできるHS5以上のモデルを検討する価値があります。実際にDTM系メディアのレビューでも、本格的にDTMをするならHS3やHS4では低域に物足りなさを感じる可能性があるという指摘があり、用途に応じた住み分けが意識されていました。

HS4Wはホワイトカラーで部屋のインテリアと合わせやすいと評判

HS4にはブラックのほか、ホワイトカラーの「HS4W」も用意されています。基本的な音響性能とスペックはブラックのHS4と共通で、4.5インチウーファーと1インチドームツイーターによる2ウェイ構成、26W+26Wの出力、ROOM CONTROL・HIGH TRIMスイッチによる環境補正機能もそのまま踏襲されています。

ユーザーレビューでは、白を基調とした部屋やデスク周りとの相性の良さが評価されており、「デザイン、色彩とも非常に好印象で、白を選んだことによるマイナス点は皆無だった」といった声も見られます。高反発MDF素材のキャビネットと、色付けの少ないソースに忠実なサウンドはブラックモデルと変わらないので、見た目の好みでブラックとホワイトを選べる点はHS4・HS4Wの隠れた魅力といえるでしょう。なお、サイズの制約による低域再生の限界は、カラーに関わらずHS4・HS4W共通の注意点として挙げられていました。

競合のPreSonus Erisシリーズとの比較でHS4はニュートラルさが優位

コンパクトなパワードモニタースピーカー市場では、ヤマハHS4と並んでPreSonus(プレソナス)のErisシリーズがよく比較対象に挙げられます。再生周波数帯域では、HS4が60Hz〜22kHz(-10dB)であるのに対し、より小型のEris 3.5は80Hz〜20kHzとされており、ウーファー口径が大きいHS4の方が低域方向のレンジで優位に立つとされています。

音質の傾向としても違いがあります。HS4は特徴的な白いコーンのウーファーを採用し、色付けの少ないフラットな再生音を志向しているのに対し、Eris E4.5は全体のバランスは良いもののHS4ほどのニュートラルさはない、という評価も見られました。プロフェッショナルな用途で音の正確性を重視するならHS4が優位で、価格や機能面(Bluetooth対応モデルの有無など)を重視するならPreSonus Erisシリーズも有力な選択肢になる、という住み分けです。

このほか、KRK ClassicシリーズやPreSonus 5BTなど同価格帯のコンパクトモニターとも比較されることが多く、いずれも原音に忠実な再生を売りにしている点は共通しています。それでもヤマハHSシリーズは、長年のプロユースでの実績と、ROOM CONTROL・HIGH TRIMスイッチによる環境補正機能の充実度で選ばれるケースが多いようです。初めてモニタースピーカーを選ぶ場合は、単純なスペック比較だけでなく、実際の設置環境や、店頭・レンタルスタジオでの試聴を通じて自分の耳に合うモデルを選ぶことが推奨されています。

セッティングではROOM CONTROLスイッチの活用が評判を左右する

モニタースピーカーは設置方法によって聴こえ方が大きく変わるため、HS4を使う際もいくつかのポイントを押さえておく必要があります。まず、左右のスピーカーとリスニングポジションが正三角形に近くなるように配置するのが基本です。スピーカー同士の間隔と、スピーカーからリスニングポジションまでの距離をできるだけ揃えることで、定位や音場感を正確に把握しやすくなります。

ツイーターの高さを耳の高さに合わせることも重要なポイントです。デスクに直置きする場合、スピーカーの高さによっては耳の位置とずれることがあるため、スタンドやインシュレーターを使って高さを調整すると効果的です。壁や棚に近い位置に設置すると低域が反射して膨らみやすくなりますが、ROOM CONTROLスイッチを−2dBや−4dBに設定することで、こうした環境による低域の過多を抑制できます。設置場所を自由に変えられない住宅事情のユーザーにとっては、特に頼りになる機能です。HIGH TRIMスイッチについても、長時間のモニタリングで高域がきつく感じる場合や、もう少し抜けの良さが欲しい場合に、リスニング環境や好みに合わせて微調整できます。これらのスイッチはあくまで補正のためのものであり、大きく音質キャラクターを変えるものではありませんが、設置場所の制約が多い個人制作環境では重要な調整機能になっています。

AG03との接続でモニター環境をグレードアップできる

HS4を本格的な配信・DTM環境で使う場合、ヤマハのウェブキャスティングミキサー「AG03」のようなオーディオインターフェースと組み合わせて使用するケースも多く見られます。基本的な接続方法としては、AG03などのオーディオインターフェースのLINE OUT(1L/2R)出力端子から、HS4の入力端子(XLR/TRSフォンのコンボジャック、またはRCA)へケーブルを接続します。

接続に使用するケーブルは、ノイズの影響を受けにくいバランスケーブル(TRSフォンやXLR)の使用が推奨されており、あわせてケーブル長はできるだけ短くまとめることでノイズの混入を抑えられます。すでにAG03のようなミキサーで配信環境を構築している場合は、そのライン出力にHS4を追加するだけでスピーカーモニタリング環境を手軽にグレードアップできます。前述の通り、HS4はステレオミニ端子でパソコンや音楽プレーヤーと直接接続することもできるため、オーディオインターフェースを持っていない場合でも導入に困ることはないでしょう。

スタンドとインシュレーターで音質の輪郭がはっきりするとの声

HS4をより快適に、より正確な音でモニタリングするためのアクセサリーとして、専用スタンドやインシュレーターの活用もおすすめできます。楽器店などでは、HS4用に高さ調整が可能な卓上モニタースピーカースタンドがセット商品として販売されており、耳の高さとツイーターの位置を合わせやすくなっています。

インシュレーターはスピーカー本体とデスクや棚板の間に挟み込む小さな部材で、スピーカーの振動がデスクへ伝わるのを防ぎ、不要な共振によるにごりを抑える効果が期待できます。スタンドの上にさらにインシュレーターを重ねて設置しているユーザーも多く、限られた予算のなかでも音質改善を図れる手軽なアップグレード方法として知られていました。デスク直置きで低域がぼやける、音の輪郭がはっきりしないと感じた場合は、まずインシュレーターやスタンドの導入を検討してみるとよさそうです。

HS4の価格はペアで税込3万円台前半から4万円弱

HS4はオープンプライスで、実勢価格はペア(2台1組)で販売されています。楽器店やオンラインショップでは税込3万円台前半から4万円弱程度で販売されており、店舗によって多少の価格差があるため、購入時には複数の販売店を比較検討するとよいでしょう。HS4は基本的にペア(左右セット)での購入が前提となっており、単体(1本)で販売されているケースもありますが、ステレオ再生には左右2台が必要になる点は購入前に確認しておきたいところです。

HS4がおすすめなのはDTM初心者と動画クリエイター

HS4がおすすめのユーザー像

HS4がとくにおすすめできるのは、これからDTMを始める初心者です。オーディオインターフェースがなくてもパソコンやオーディオ機器と直接つないでヘッドホン・スピーカー両方の再生ができるため、最初の1台として導入のハードルが低いのが魅力です。動画編集や配信、ポッドキャスト制作を行うクリエイターにも向いています。音質が最終的な仕上がりに大きく影響する音楽制作ほどシビアな低域確認は不要なものの、フラットな特性で音のバランスを正確に把握したいというニーズには十分応えられるでしょう。

テレワークや自宅のデスク環境でPCスピーカーをワンランク上げたいユーザーにも適しています。省スペースなサイズながらモニタースピーカーならではのクリアな音質を得られるため、音楽鑑賞や動画視聴の用途でも扱いやすいはずです。一方で、本格的にミックス・マスタリングを行うプロ・セミプロのユーザーや、低域までしっかり確認したい楽曲制作者には、より大きなウーファーを持つHS5・HS7・HS8といった上位モデル、またはサブウーファーとの併用を検討したほうが後悔は少ないでしょう。

ヤマハHS4は省スペースで正確な音を求める人に向いた1台

ヤマハHS4は、定番モニタースピーカー「HSシリーズ」に新しく加わったコンパクトモデルで、4.5インチウーファーと1インチツイーターによる2ウェイ構成、26W+26Wの出力、フラットで色付けの少ない音質を特徴としています。フロントパネルにボリューム・電源・ヘッドホン端子を備え、オーディオインターフェースなしでも扱える手軽さから、DTM初心者から動画編集・配信クリエイター、自宅のデスク環境を整えたいユーザーまで幅広い層におすすめできるモデルです。

より小型のHS3、より大型で低域再生に優れるHS5・HS7・HS8といった上位モデルとの住み分けを理解したうえで、自分の制作スタイルや設置スペースに合ったモデルを選ぶことが、モニタースピーカー選びで失敗しないポイントです。評判に表れているフラットな音質と扱いやすさは、省スペースで正確なモニタリング環境を求める人にとって、ヤマハHS4を有力な選択肢にしています。

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