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TOPPING DX1 IIの評判は、価格を大きく超える音質と出力パワーを評価する声で占められています。2万円台前半という価格帯にもかかわらず、上位機に採用される最新DACチップを搭載し、測定サイトの実測でも「価格帯最高クラス」と評されるほどの性能を叩き出しました。本記事では、そんなTOPPING DX1 IIについて、スペックから音質の傾向、ゲーミング用途での使い勝手、前モデルとの違い、そして購入前に知っておきたい弱点まで、国内外のレビューをもとに整理してお伝えします。

TOPPING DX1 IIはES9039Q2M搭載で価格帯最高クラスの測定値を記録

TOPPING DX1 IIのSINAD121dBと同価格帯一般水準を比較した棒グラフ

TOPPING DX1 IIの中核には、ESS Technologyの最新DACチップES9039Q2Mが採用されました。上位機種にも使われる技術を受け継いだチップで、エントリークラスの製品にこのクラスのチップが載ったこと自体が発表直後から話題になりました。USB入力の処理には第3世代のXMOS XU316を採用し、16コア構成で安定したUSB伝送とデジタル処理を担っています。

第三者の測定サイトAudio Science Reviewの実測では、バランス出力でSINAD121dBという結果が出ました。これは118ドル前後の製品としては最先端と呼べる水準で、多音同時再生時の歪みやリニアリティもほぼ完璧、ノイズも非常に低いと評価されています。公称スペックではS/N比128dB、ダイナミックレンジ128dB、バランス出力でのTHD+Nは0.00007%以下と発表されており、単一のDACチップ構成でありながら、デュアルDACチップを採用する2倍近い価格帯の製品に匹敵する性能を実現しました。

出力とバランス接続の仕様

対応フォーマットは最大384kHzのPCM、DSD256までのネイティブ再生です。出力段は4チャンネルのフルバランス構成で、バランス出力では左右独立の信号経路が最後まで維持され、クロストークを抑える設計になっています。

出力端子は3.5mmシングルエンドヘッドホン出力と4.4mmバランスヘッドホン出力の2系統です。ヘッドホン出力のパワーは32Ω負荷時で1000mW×2chに達し、この価格帯としては非常に大出力な仕様といえます。ライン出力にはRCA出力と4.4mmバランス出力の2系統を備え、プリアンプとしてアクティブスピーカーやパワーアンプに接続することも可能です。光デジタル入出力も搭載しているため、他のDACやAVアンプ、光デジタル対応スピーカーとの接続にも対応します。

発売日は2026年8月25日、実売価格は2万円台前半で決定

TOPPING DX1 IIは日本国内で2026年8月25日に発売されました。国内正規代理店はMUSINです。実売価格については情報源によって幅があり、税込23,650円前後から24,750円前後という予想価格が伝えられています。海外では英国で119ポンド、米国で119米ドルというエントリークラスの価格設定で発表されました。この価格でありながら上位機並みの技術水準を実現している点が、発表直後から評価のポイントになっています。

カラーバリエーションはブラック、ホワイト、シルバーの3色です。本体サイズは突起部分を含めて約100×100×32mm、重量は約275gと、手のひらに収まるコンパクトなサイズ感になっています。パッケージにはUSB-C to USB-CケーブルとUSB-A to USB-Cケーブルの両方、操作用のリモコンが付属します。日本国内での発売にあわせて、スマートフォンとの接続に便利なセパレーション構造の専用OTGケーブルも別売りで同時展開されました。

音質の評判はニュートラルで解像度の高いサウンドに集約

複数のレビューサイトや個人ブログの評価を総合すると、TOPPING DX1 IIの音質はクリーンで速く、色付けの少ない誠実なサウンドという評価に集約されます。解像度が高く、定位や分離感、コントロールの効いた低域など、価格を超えた実力を持つという意見が目立ちました。

この色付けの少なさは、良くも悪くも両面を持っています。海外のオーディオレビューサイトでは、中域について薄い録音を誤魔化して太く聞かせるようなことをしない正直な性格ゆえに、録音そのものが薄い場合はその弱点がそのまま出てしまうと語られています。ニュートラルからやや分析的な音の傾向は好みが分かれるポイントで、リスナーによってはやや線が細く、あらを探すような鳴り方に感じる場合もあるようです。

日本語のレビューブログでも、ASRなどの測定結果を踏まえたうえで、価格を考えると非常に高音質なヘッドホン出力付きDACという評価が示されました。SNS上でも、2万円以下との噂を耳にしていたユーザーから「完成度が本当に凄い、最新のES9039Q2M搭載なだけでも驚きなのに出力も抜群で大半のヘッドホンを鳴らせるパワーがある」という高評価コメントが投稿されています。

中高域の評価と低域の聴感の違い

海外の専門レビューサイトHeadfonicsは、DX1 IIの音について上位中域がわずかに前に出る傾向があると評価しました。この傾向がリードボーカルや前方寄りにミックスされた楽器に存在感と親密さを与え、聴いていて引き込まれる特徴的な鳴り方につながっているといいます。アコースティック楽器の再現性も高く評価されており、アコースティックギターの指弾きはクリアで音の分離が良く、ピアノは鍵盤を押し込む重みと余韻の説得力が感じられると述べられています。適切なヘッドホンと組み合わせれば、高域の表現力は同価格帯のなかでも際立った強みになるようです。

一方、海外のレビューサイトecousticsは低域について興味深い指摘をしています。測定上、低域が特に強調されているわけではないものの、上側の高域がわずかに抑えめであるために、聴感上は低域に自然と耳が向きやすくなり、キックドラムやベースギター、電子音楽の低域ヒットに実際以上の重みを感じさせる効果があるとされました。明らかな温かみを付加することなく、パンチの効いた鳴り方に聞こえるという評価です。この特性から、Beyerdynamicの多くのモデルや、SennheiserのHD800Sのような比較的明るい傾向のダイナミック型ヘッドホンとの相性が良いとも紹介されています。

静寂性の高さが従来のTOPPING製品のイメージを覆した

複数の海外レビューで共通して語られているのが、TOPPING DX1 IIの静けさです。無音時のバックグラウンドノイズが極めて低く、黒い背景と表現されるほど、音楽が鳴っていないときの環境ノイズがほとんど感じられないという評価が多く見られました。かつてTOPPING製品には、測定数値は良いが無機質で面白みのない音という先入観を持たれることもありましたが、DX1 IIについては、そうしたイメージを覆すほど洗練された鳴り方だと評されています。全体のチューニングはニュートラルかつ高速、透明感のある音作りとまとめられました。

本体には小型ディスプレイも搭載されており、入力ソースやゲイン設定、EQプロファイルの状態を視覚的に確認できる点も、操作性の面でプラスに評価されています。モバイルバッテリーほどの大きさで重量275gという携行性の高さを持ちながら、DACとヘッドホンアンプの機能を1台にまとめたオールインワン機器として仕上がりました。

ゲーミング用途ではPS5とSwitchのプラグアンドプレイに対応

TOPPING DX1 IIがPS5とNintendo Switchにプラグアンドプレイで接続するイメージ図

TOPPING DX1 IIはゲーミングDAC/アンプとして明確に打ち出されており、PS5やNintendo Switchとのプラグアンドプレイ接続に対応しています。これを実現しているのが、UAC1.0とUAC2.0のデュアルモード対応です。PS5やSwitchのようにUAC2.0に正式対応していないゲーム機でも、UAC1.0モードに切り替えることでドライバレスの接続が可能になります。Windows、macOS、タブレットなど通常のPC環境ではUAC2.0モードを使うことで、より高解像度な音声伝送を実現しました。

さらに3.5mm出力からのマイク入力にも対応しているため、ゲーミングヘッドセットをそのまま接続してボイスチャットを行うことも可能です。オンボードサウンドカードの音質に不満を感じているPCゲーマーや、コンシューマー機でのヘッドホン出力とマイク入力をまとめて改善したいユーザーにとって、1台で完結する利便性は高く評価されています。

10バンドパラメトリックEQでヘッドホンごとに音を追い込める

TOPPING DX1 IIの大きな特徴の一つが、10バンドのパラメトリックEQをハードウェア側のDSPで処理できる点です。USB接続時には専用アプリTopping Tune、またはブラウザ経由で使えるTopping Home Webを通じて、周波数、ゲイン、Q値を細かく調整できます。調整したプロファイルは本体に最大3件まで保存でき、PCを介さずに単体でもプロファイルを切り替えて使用できるのが便利なところです。

ゲーム用途、音楽鑑賞用途、特定のヘッドホン向けのイコライジングなど、用途別にプロファイルを使い分けられる自由度の高さは、同価格帯の製品と比較しても優位性があるといえるでしょう。加えて8種類のデジタルフィルターと、ハイ/ロー2段階のゲイン切り替え機能も用意されています。デジタルフィルターはDAC内部での信号処理の方式を切り替えるもので、微妙な音の傾向の違いを好みに応じて選べるようになりました。ゲイン切り替えは、駆動しやすい低インピーダンスのIEMから、比較的インピーダンスの高いヘッドホンまで、幅広い機種に対して適切な出力レベルを設定するための機能です。

接続方法は付属ケーブルでのプラグアンドプレイが基本

TOPPING DX1 IIの基本的な使い方はシンプルです。付属のUSB Type-Cケーブルで本体とPC、Mac、スマートフォン、あるいはPS5やNintendo Switchなどのゲーム機を接続するだけで、多くの場合ドライバーのインストールなしにプラグアンドプレイで認識されます。Windows環境でより高いパフォーマンスを引き出したい場合には、TOPPING公式サイトから専用のUSBドライバーをダウンロードして導入することが推奨される場合もあるようです。

ヘッドホンやイヤホンを使用する場合は、本体にある3.5mmシングルエンド出力、または4.4mmバランス出力のいずれかにケーブルを接続します。バランス接続対応のケーブルを持っている場合は、4.4mm出力を使うことでより高いダイナミクスとチャンネルセパレーションを得やすくなるでしょう。外部のアクティブスピーカーやパワーアンプに接続してデスクトップスピーカーシステムを構築したい場合は、背面のRCAラインアウト、または4.4mmバランスラインアウトを使用します。OS側のサウンド設定で出力デバイスとしてTOPPING DX1 IIを選択すれば、内蔵サウンドではなくDX1 IIを経由した音声出力に切り替わります。

イヤホンとの相性はModhouse Argon Mk3やHIFIMAN Sundaraが好例

TOPPING DX1 IIは、ハイゲインかつ4.4mmバランス接続時に64Ω負荷で1000mW×2chという大出力を誇る一方、ノイズフロアは0.9マイクロボルトrms未満と非常に低く抑えられています。この低ノイズ設計により、感度の高いマルチBA型やダイナミック型のIEMを接続しても、無音時のヒスノイズがほとんど気にならない静かな背景で音楽を聴けると評価されました。

具体的な組み合わせの例としては、ダークで温かみのある滑らかなチューニングを持つModhouse Argon Mk3が、DX1 IIの伸びやかな高域特性と好相性であると紹介されています。平面駆動型ヘッドホンのHIFIMAN Sundaraも良いペアリングとされており、バランス接続かつハイゲインであれば十分な駆動力を発揮する一方、ロゲイン設定では音量を上げる必要があるようです。

もともと高域のエネルギーが強い、明るい傾向のヘッドホンやイヤホンと組み合わせた場合、DX1 IIの解像感の高さがさらに高域を強調し、やや刺さりを感じやすくなる可能性もあります。購入を検討する際は、手持ちのヘッドホンやイヤホンの音の傾向とDX1 IIのニュートラルからやや分析的な音作りとの相性を、事前にある程度考慮しておくのがおすすめです。

弱点は本体の軽さと立ち位置の曖昧さの2点に集約される

良い評判が多い一方で、レビューでは弱点も語られています。もっとも大きいのは、本体が軽量であるがゆえに、太く重いヘッドホンケーブルを接続すると、ケーブルの重みで本体がデスク上で動いてしまいやすいという物理的な問題です。大型のデスクトップアンプであれば気にならない程度の重さでも、コンパクトなDX1 IIでは無視できない場合があります。

もう一つは、製品としての立ち位置の曖昧さです。あるレビューでは、USBドングル型DACの領域を完全には抜け出せていない、なりきりデスクトップDAC/アンプという辛口の表現で紹介されており、ポータブル用途としてもデスクトップ用途としても中途半端に感じられる場合があるとされました。裏を返せばポータブルとデスクトップの両方の使い方ができる柔軟性ともいえるため、ここは受け止め方が分かれる部分でしょう。

色付けの少ないニュートラルな音作りについても、聴き手によっては素っ気ない、もう少し温かみが欲しいと感じられる可能性があります。ドンシャリ系の元気な鳴り方を好むユーザーには、やや物足りなく感じられるかもしれません。

前モデルDX1からはAKMチップからESSチップへ大きく刷新された

TOPPING DX1シリーズの初代モデルDX1は、AKMのVELVET Soundファミリーに属するDACチップ(AK4493S、AK4497S、AK4499EXなど、モデルやリビジョンにより異なります)を採用しており、自然な音の色合いと滑らかな高域が特徴とされてきました。

これに対して新モデルのDX1 IIは、ESS TechnologyのES9039Q2Mチップと16コアのXMOS XU-316プロセッサを採用し、フルバランスのアナログ段を備えるなど、内部構成が大きく刷新されています。加えてDX1 IIでは、ゲーミング用途を強く意識した機能としてUAC1.0/2.0のデュアルモード対応、マイク入力対応、PS5/Switch対応が新たに盛り込まれました。単なる音質面のアップデートにとどまらず、対応デバイスの幅を大きく広げたモデルチェンジになったといえます。ESSチップ特有の分析的でクリアな音の傾向は、AKMチップの自然で滑らかな傾向とはキャラクターが異なるため、旧モデルからの買い替えを検討している場合は、この音の方向性の違いを意識しておくとよいでしょう。

競合のFiiO K11と比べるとバランス出力と多機能性で優位

TOPPING DX1 IIとFiiO K11の機能比較図

同価格帯のエントリークラスDAC/ヘッドホンアンプ市場では、TOPPING DX1 IIはFiiOのK11、iFi audioのZEN DAC V1、ShanlingのEH1といった製品と競合する立ち位置にあります。海外レビューではFiiO K11が最も直接的なライバルとして挙げられており、シングルエンド出力のパワーではK11の方が上回り、音の傾向もやや温かみがあるとされました。

ただしK11はシングルエンド出力のみでバランスライン出力を持たない一方、DX1 IIはバランスヘッドホン出力に加えてバランスライン出力も備えています。パラメトリックEQ、光デジタル入出力、ヘッドセットのマイク対応、ゲーム機との互換性まで含めると、機能面の豊富さでDX1 IIに軍配が上がるという評価が複数の海外レビューで共通しています。SchiitやFiiOといった競合ブランドの同価格帯製品と比較しても、機能の豊富さという点でDX1 IIは説得力のある選択肢になっているようです。

DX1 IIがおすすめなのはPCとゲーム機を1台で強化したい人

これまでの評判を総合すると、TOPPING DX1 IIには向いているユーザー像がはっきり見えてきます。まず、PCの内蔵サウンドやマザーボードのオンボードオーディオの音質に不満があり、手軽に音質を改善したいユーザーです。USB-C接続だけで動作し、外部電源が不要なため、導入のハードルが低いのが利点です。

次に、PS5やNintendo Switchなどのゲーム機で、ヘッドホン出力とマイク入力をまとめて高品質化したいゲーマーです。プラグアンドプレイでの接続対応や、ゲーミングヘッドセットのマイク入力対応は、コンシューマー機ユーザーにとって特にうれしいポイントでしょう。パラメトリックEQを使って自分の好みやヘッドホンの特性に合わせて音を追い込みたいユーザーにも向いています。10バンドという細かい調整幅と、最大3プロファイルの本体保存機能は、複数の機器やシーンで使い分けたい人にとって実用的です。

反対に、価格を度外視して温かみのある味付けの音を求めている人や、ある程度重量のあるどっしりとしたデスクトップアンプを求めている人にとっては、DX1 IIの軽量でニュートラル志向な性格はややミスマッチになる可能性があります。

TOPPING DX1 IIは、2万円台前半という価格帯にもかかわらず、ES9039Q2Mという最新世代のDACチップと、121dBに達するSINAD性能、1000mW×2chという強力なヘッドホン出力を実現した、コストパフォーマンスの高いDAC/ヘッドホンアンプに仕上がりました。前モデルDX1からのアップデートでは、DACチップの世代交代による性能向上に加え、UAC1.0/2.0デュアルモード対応やマイク入力対応など、PS5とSwitchを含むゲーミング用途への対応が大きく強化されています。

評判としては、測定データに裏付けられた高音質と、価格を超えた出力パワー、コンパクトなサイズを評価する声が多く、SNSや専門レビューサイトでも軒並み高評価を得ました。軽量ゆえの設置の不安定さや、ニュートラルで分析的な音の傾向が好みに合わない可能性がある点は、購入前に把握しておきたい注意点です。ビルドクオリティの高さと、最新チップによる出力パワーの高さは繰り返し評価されているポイントで、Audio Science Reviewの測定でも118ドル前後という価格帯の製品としては評価の78%で最高ランクの結果が出ています。デスク周りを圧迫せず、省スペースにヘッドホン環境を整えたい人にとって、TOPPING DX1 IIは価格と機能と音質のバランスが取れた選択肢の一つになりそうです。

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