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小型のUSBドングル型DAC/アンプであるUA1 IIは、SHANLINGが2026年8月25日に発売する新製品です。CS43131のDACチップを2基搭載し、国内市場想定価格は12,375円(税込)に設定されました。3.5mmシングルエンドに加えて4.4mmバランス出力を備え、価格の割に本格的な駆動力を持つ点が特徴です。国内での取り扱いは輸入商社のMUSINが担当し、上位モデルのUA6 IIと同時に発表されました。

スマートフォンのイヤホンジャックが減り続けるなか、外付けDACの選び方に迷っている人は少なくありません。この記事では、UA1 IIのスペックや操作性、旧モデルとの違い、同価格帯の競合製品との比較まで、購入を検討する際に知りたい情報をまとめます。

SHANLING UA1 II

SHANLING UA1 IIの発売日は2026年8月25日、価格は12,375円

UA1 IIの発売日は2026年8月25日で、国内市場想定価格は12,375円(税込)です。同時に発表された上位機種のUA6 IIは37,620円前後とされ、価格差はおよそ3倍になります。海外ではブラックとシルバー、パープルの3色展開で、MSRPは69米ドルと案内されました。日本円に換算しても1万円台前半に収まる水準で、初めて外付けDACを試すユーザーが手を出しやすい価格帯です。

SHANLINGはこれまでUA1、UA1 Plus、UA2という小型ドングルDACを展開してきたブランドで、今回のUA1 IIはその最新モデルにあたります。上位機種と同時に発表されたことから、ラインナップ全体を刷新するタイミングだったこともうかがえます。

国内の取り扱いを担当するMUSINは、SHANLINGを含む複数の海外オーディオブランドの国内正規代理店を務める輸入商社です。自社の直販ショップやオンラインストア、正規取扱店を通じて製品を販売しており、UA1 IIもこうした販路を通じて購入できる見込みです。

イヤホンジャックの廃止でドングルDAC市場が広がった

UA1 IIのようなドングルDACが増えた背景には、スマートフォンからイヤホンジャックが姿を消していった経緯があります。2016年ごろから大手スマートフォンメーカーがイヤホンジャックを廃止し始め、この流れは業界全体に広がりました。薄く洗練されたデザインを求める動きのなかで、イヤホンジャックが占めていた内部スペースをバッテリー拡張や他の機能に振り向けるメーカーが増えていったためです。

USB-Cが主流になったいまは、USB-C経由でスマートフォンに接続する小型のドングルDACが一般的な選択肢になっています。スマートフォンに内蔵されたヘッドホンジャックは電気ノイズや干渉の影響を受けやすい構造ですが、外付けのドングルDACは端末内部のオーディオ回路を経由せずに信号を変換するため、ノイズを抑えたクリーンな出力を得やすいという利点があります。UA1 IIも、この仕組みを踏まえて設計されたモデルの1つです。

デュアルCS43131 DACと4.4mmバランス出力で駆動力を強化

UA1 IIの出力パワー比較、シングルエンド94mWとバランス240mW

UA1 IIの心臓部には、Cirrus Logic製のDACチップCS43131が2基搭載されています。1基あたりの性能を活かしつつ2基を組み合わせることで、SN比やダイナミックレンジといった基本性能を底上げする設計です。対応フォーマットはPCMが最大768kHz/32bit、DSDはネイティブ再生でDSD512までカバーしています。ストリーミングサービスのハイレゾ音源から手持ちの高解像度ファイルまで、圧縮による劣化を気にせず再生できる仕様です。

PCMは、音を時間軸と出力レベルの格子に区切って記録する方式で、時間の分割数をHz、出力レベルの分割数をbitで表します。一方のDSDは1ビットのまま高いサンプリング周波数で記録する方式で、44.1kHzのPCMを2.8MHzのDSDに変換したものがDSD64、その4倍がDSD256、さらに倍のDSD512という関係になります。編集のしやすさではPCMに分がありますが、なめらかな音の印象を求める人に選ばれてきたフォーマットです。UA1 IIがDSD512まで対応しているのは、こうした高精細フォーマットの音源をそのまま再生したい人にとって心強い仕様です。

CS43131は、Cirrus Logicが手がける低消費電力のオーディオDACで、ヘッドホンアンプを一体化したチップです。少ない電力で高いダイナミックレンジを確保できる設計が評価されており、同じチップはFiiOのKA11にも採用されています。エントリークラスから上位モデルまで幅広く使われている実績のあるDACチップです。

こうした高性能なDACが活きる場面は、音源側の対応状況にも左右されます。国内の主要な音楽配信サービスの多くがハイレゾ音源の配信に対応するようになり、ここ数年でハイレゾ特化型の海外サービスが日本語圏でのサービスを始めるなど、配信環境は着実に整ってきています。ストリーミングでハイレゾ音源を楽しむ環境が整ってきたいまだからこそ、UA1 IIのように768kHz/32bitやDSD512まで再生できる機器の役割が大きくなっています。

出力端子は3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの2系統です。出力パワーはシングルエンドが最大94mW@32Ω、バランスが最大240mW@32Ωで、バランス接続時にはシングルエンドの倍以上の駆動力が得られます。インピーダンスの高いヘッドホンや、駆動しにくい平面駆動型イヤホンでも、余裕を持って鳴らせる数値です。

ヘッドホンのインピーダンスは、おおよそ16Ωから32Ω程度が低インピーダンス、40Ωから100Ω程度が中間インピーダンス、150Ω以上が高インピーダンスに分類されます。低インピーダンスのモデルはスマートフォンなど出力の限られた機器でも音量を取りやすい一方、高インピーダンスのモデルは十分な出力を持つアンプと組み合わせないと、同じ音量でも小さく聞こえてしまいます。UA1 IIのようにバランス接続で240mWの出力を確保していると、こうした高インピーダンスのヘッドホンとの組み合わせでも音量不足になりにくくなります。

項目シングルエンド(3.5mm)バランス(4.4mm)
出力パワー94mW@32Ω240mW@32Ω
周波数特性20Hz〜40kHz(+0.5dB)20Hz〜40kHz(+0.5dB)
THD+N0.0005%@32Ω0.0004%@32Ω
ダイナミックレンジ126dB128dB
SN比125dB128dB
チャンネルセパレーション73dB128dB

この数値は、エントリークラスのドングルDACとしてはかなり高い水準です。上位機種に近いクリアな出音を期待させる仕上がりになっています。

スペック表に並ぶTHD+NやSN比は、数値が読めると製品選びの判断材料になります。THDは総高調波歪みの略で、数値が低いほど原音に近い出力とされ、0.001%台から0.01%台であれば優秀な部類に入ります。SN比は信号対雑音比を表し、数値が大きいほど雑音感の少ない出力になり、高品質な組み合わせでは100dB以上が目安とされています。UA1 IIのバランス出力で示されたSN比128dBという数値は、この目安を大きく上回る水準です。

4.4mmバランス接続は、5本の芯線を使って左右それぞれをプラスとマイナスの差動構成で駆動する方式です。3.5mmのアンバランス接続では左右のチャンネルで1本のリターン線を共有しますが、バランス接続では左右の配線が最初から独立しているため、チャンネル間の干渉を受けにくくなります。同相のノイズを打ち消す働きもあり、駆動力とノイズ耐性を実用的なサイズで両立できる方式として、近年は上位モデルを中心に採用が広がってきました。UA1 IIが1万円台前半でこの方式を備えているのは、価格帯を考えると手厚い装備と言えます。

アルミボディと前面と背面のガラスパネルで質感を刷新

UA1 IIのアルミボディと前面/背面ガラスパネルのイメージ

UA1 IIの筐体はアルミニウム製にリニューアルされ、細身でなめらかな質感と、角を丸めた仕上げが特徴です。前面のガラスパネルの下には0.96型のディスプレイが組み込まれ、背面のガラス越しには内部基板が見える構造になっています。単なる外装変更にとどまらず、エントリークラスのドングルDACと数年前のフル機能型ポータブルDACとの境界を曖昧にする作り込みです。

外形寸法は22(W)×52(H)×13(D)mmで、重量は約17.9gです。USBメモリーやリップクリームケースに近いサイズ感で、スマートフォンに挿しっぱなしでも負担になりにくい軽さです。

前面ディスプレイと物理ボタンだけで設定が完結

UA1 IIはスマートフォンの専用アプリに頼らず、本体単体で設定を完結できる点が特徴です。音量調整や再生コントロール、メニュー操作を行う物理ボタンがコンパクトな筐体にまとまっており、片手でも扱えます。0.96型のディスプレイには、サンプリングレートや音量レベル、ゲイン設定、デジタルフィルターのモード、ヘッドホンの接続状態などが表示され、細かな設定をその場で変更できます。外出先でアプリを起動する手間がかからないのは、日常使いでは地味に効いてくる部分ではないでしょうか。

デジタルフィルターの切り替えは、デジタル信号をアナログに変換する際の補間処理を選び直す機能です。急峻な減衰特性を持つフィルターはノイズを抑えやすい一方、設定によってはリンギングと呼ばれる副作用が生まれ、音の密度感や滑らかさに違いが出ることがあります。演算処理を最小限にとどめたモードでは、理論上のノイズ量が増える代わりに、加工が少ない出音を狙う設計もあります。UA1 IIでこうしたフィルターを本体だけで切り替えられるのは、好みの音の傾向を探る楽しみにつながります。

UAC1.0対応でPlayStationシリーズやNintendo Switchでも使える設計

UA1 IIはUSB Audio Class 1.0規格、いわゆるUAC1.0に対応しています。ドライバーのインストールなしで機器に認識されるため、対応するゲーム機でもそのまま使える点が強みです。イヤホンジャックを持たない、あるいは内蔵音質に物足りなさを感じる据え置き型と携帯型のゲーム機は増えており、PlayStationシリーズやNintendo SwitchにUA1 IIを接続して音質を底上げする使い方が想定されています。

パソコンやスマートフォンとの組み合わせでは、WindowsとmacOS、AndroidとiOSに対応し、USB-C接続で利用できます。iPhoneなどLightning端子の機器では、別途変換ケーブルが必要になる場合があるので留意しておきたいところです。

着脱式USB-Cケーブルと変換アダプターが付属

接続用のUSBケーブルは着脱式です。断線などのトラブルが起きても、ケーブル単体の交換やアップグレードで対応できます。ケーブル部分はポータブルDAC/アンプのなかでも負荷がかかりやすい箇所なので、着脱式であることは長く使ううえでの安心材料になります。付属品にはUSB-CからUSB-Aへの変換アダプターも同梱され、USB-Cポートを持たないパソコンとも接続しやすい配慮がされています。

上位機種UA6 IIとの価格差は約2.5万円、DAC数と駆動力で差別化

UA1 IIとUA6 IIの価格差比較、12,375円と37,620円

同時に発表されたUA6 IIは、CS43131のDACチップを8基搭載し、4DACと8DACのモード切り替えで音の傾向を変えられるフラッグシップモデルです。バランス出力の最大出力は365mW@32Ω、最大SN比は133dBに達し、UA1 IIより駆動力とノイズ性能の両方で上回ります。価格は37,620円前後で、UA1 IIとの差額はおよそ2万5千円です。

手軽に外付けDACの世界を試したい人にはUA1 II、駆動力や解像感を本格的に求める人にはUA6 IIという住み分けが成立しています。2機種が同時に発表されたことで、SHANLINGのドングルDACラインナップはエントリーからフラッグシップまで一通りそろいました。

旧モデルUA1とUA1 Plusからの変更点はバランス出力とDSD512対応

SHANLINGのエントリードングルDACをさかのぼると、初代UA1は2020年11月に発売され、参考価格は5,720円前後でした。搭載していたのはESSのシングルDACチップES9281Pです。後継のUA1 Plusは、ES9219Cを積んだUA1 Proを経た第3世代モデルで、CS43131のデュアルDACと専用USBレシーバーチップCT7601を組み合わせ、PCM768kHz/32bitとDSD256までの対応、3.5mm出力で最大80mW/32Ωを実現していました。海外SRPは49ドルです。

UA1 IIは、このCS43131デュアルDACという基本構成をUA1 Plusから引き継ぎつつ、対応DSDを256から512へ拡張し、4.4mmバランス出力を新たに追加しました。バランス接続時の出力パワーも240mW@32Ωまで引き上げられ、価格帯を超えた装備になっています。UA1とUA1 Plusのシリーズはいずれもエントリークラスとしては侮れない実力という評価をレビューサイトから受けてきており、UA1 IIもその流れを継いだモデルです。

同価格帯のFiiO KA11とMoondrop Dawn Pro2とは装備の総合力で差がある

1万円台前半という価格帯には、他社からも選択肢が並んでいます。FiiOのKA11は重量約8.5gの軽さが売りで、価格は5,000円前後とUA1 IIより手頃です。消費電力の低さと軽さを重視したモデルで、出力パワーやバランス接続の面ではUA1 IIに一日の長があります。MoondropのDawn Pro2は9,000円前後で購入でき、4.4mmバランス接続に対応し、コストパフォーマンスの高さで知られています。Moondropは中高域の鳴り方の良さや、スマートフォン向けDACとしては珍しい100段階の音量調整に定評があるブランドで、UA1 IIとは音の傾向が異なるライバルです。

製品価格目安特徴
SHANLING UA1 II12,375円前後デュアルCS43131 DAC、3.5mm/4.4mm出力、ディスプレイと物理ボタンを搭載
FiiO KA115,000円前後重量約8.5gの軽量設計
Moondrop Dawn Pro29,000円前後4.4mmバランス接続に対応、100段階の音量調整

こうして並べると、UA1 IIの強みはデュアルDACによる基本性能の高さと、3.5mmと4.4mmの2系統出力、物理ボタンとディスプレイによる単体完結の操作性、UAC1.0によるゲーム機との親和性を1台でまとめている点にあります。軽さや価格の安さで選ぶならKA11、音の傾向やコストパフォーマンスで選ぶならDawn Pro2という比較になり、装備の総合力で選ぶならUA1 IIが候補に入ります。

接続端子はUSB-C、カラーは海外向けに3色展開

UA1 IIはUSB-C接続が基本です。iPhoneなどLightning端子の機器と組み合わせる場合は、別途変換ケーブルやアダプターが必要になることがあります。手持ちの機器の端子形状は、購入前に確認しておくとスムーズです。

カラーバリエーションは海外向けでブラックとシルバー、パープルの3色が案内されています。国内での販売カラーが海外と同じ展開になるかどうかは、発売前に販売店やMUSINの情報で確認しておいたほうが安心です。

価格は12,375円で、旧モデルのUA1(5,720円前後)やUA1 Plus(49ドル)と比べるとやや上がりました。ただし、デュアルDACや4.4mmバランス出力、ディスプレイ、物理ボタン、着脱式ケーブルという上位機種相当の装備が1万円台前半に収まっている点を踏まえると、価格に対する装備の充実度は高い部類に入ります。

UA1 IIはゲーム機でも使えるか、着脱式ケーブルの交換は可能か

UA1 IIはゲーム機で使えるのかという疑問については、UAC1.0対応によって対応機種でドライバーなしに認識されるため、ゲーミング用途でも扱える設計になっています。ケーブルは交換できるのかという点は、着脱式のUSB-Cケーブルが採用されているため、断線時にはケーブルだけを交換できます。上位機種のUA6 IIとどちらを選べばよいかという疑問には、価格を抑えつつバランス出力や基本性能を確保したいならUA1 II、駆動力や解像感を最優先するならUA6 IIという答えになります。

UA1 IIは1万円台前半でバランス出力を求める人に向く1台

UA1 IIは、デュアルCS43131 DAC、3.5mmと4.4mmの2系統出力、0.96型ディスプレイと物理ボタン、着脱式USB-Cケーブルという装備を、12,375円という価格に収めたモデルです。2026年8月25日の発売以降、実機を使ったレビューが増えていくはずです。購入を検討している人は、店頭情報や実際に試聴した人の感想もあわせて確認しておくとよさそうです。

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